八○后と九○后 2012 6 10

書名 中国人エリートは日本人をこう見る
    「ここだけの話
     小泉元首相は、中国で人気なんですよ」
著者 中島 恵  日本経済新聞出版社(日経プレミアシリーズ)

 多くの日本人は、
「小泉元首相は、中国で人気なんですよ」というところが気になったでしょう。
 小泉政権時代、小泉首相は、在任中に、
中国政府が最も嫌がる、終戦の日前後に、靖国神社参拝を繰り返したので、
中国人に最も嫌われた首相と思われがちだからです。
 しかし、実情は、違うようです。
中国人に小泉元首相が人気な理由は、
この本にあるように、
「(中国の圧力に屈しないなど)強力なリーダーシップがある」、
「日本の立場に立つ日本の首相として、きちんと責任を果たした」、
「敵ながら、あっぱれと言える一目置ける存在」というところでしょうか。
 翻って、民主党政権の政治家たちは、どう見えるか。
これは、あくまでも私の推定ですが、
「中国に朝貢のために参上した」と見えるかもしれません。
 朝貢という言葉は古いので、言い換えると、
民主党政権の政治家たちは、
「御用聞きのために中国を訪問した」という感じでしょうか。
 いずれにせよ、民主党の政治家たちの中国訪問は、
外交というよりも「朝貢」に近かったかもしれません。
(本来ならば、朝貢とは、政治関係というよりも、
中国と周辺国との「貿易の形態」を表す言葉ですが、
ここでは、政治的な意味合いで使いました)
 さて、話がそれました。
八○后と九○后とは、「1980年代生まれ」と「1990年生まれ」のことです。
この本では、八○后と九○后の若者に対して、
「日本をどう思っているか」とインタビューしたものをまとめたものです。
 ただし、若者といっても、
日本人でも知っているような中国の有名大学を卒業した人たちなので、
超エリートの若者と言えるでしょう。
 もちろん、これは、エリートの意見ですので、
中国人全体の意見とは違いますが、
いずれ、こうした若者は、10年後、20年後に中国社会の中核となって、
国家をリードしていく人材なので、貴重な意見となるでしょう。
 もうひとつ、この本から引用しましょう。
中国の歴史の授業では、こういうことを学ぶそうです。
「康有為の百日維新は失敗したのに、日本の明治維新は、なぜ成功したのか」

シーレーン 2012 4 30
 多くの日本人は、最近、東シナ海が静かになったので、
「やれやれ、よかった」と思っているでしょうが、
それでは、「平和ボケしている」と言ってよいでしょう。
 今、南シナ海が熱い。
つまり、南シナ海の緊張が、
政治的にも軍事的に高まっているのです。
 「南シナ海?、日本には関係ない」と思った人は、
やはり、「天然の平和ボケ」になっていると言わざるを得ないのです。
 南シナ海とは、原油や液化天然ガスを満載した日本の船舶が通過する、
極めて重要な海域です。
 「一石二鳥」
中国の軍事指導者は、南シナ海を押さえてしまえば、
東南アジア諸国だけでなく、日本も支配できると考えるでしょう。
 軍事的には、日本を占領する必要はなく、
南シナ海を押さえてしまえば、十分です。
後は、日本に中国の傀儡政権を作れば、事実上の日本占領はできるでしょう。
 さらに、海軍力を強化して、
フィリピンの外側(太平洋側)まで、
つまり、中国が言う「第二列島線」まで勢力が伸ばせれば、
「事実上の日本占領」が完璧なものとなります。
 こうした問題に対する日本の対応策は、
日米軍事同盟の強化か、
日本の軍事力の大幅な強化か、
二つに一つとなります。
 オバマ大統領は、南シナ海を守ると決意したようですが、
アメリカが、いつまで、その決意を維持できるか怪しいのです。
 将来、アメリカの財政が苦しくなった時、
「南シナ海を守ることは、
アメリカにとって経済的な利益があるか」と考える大統領が出現した時、
日本は、苦しくなるでしょう。
 つまり、軍事よりも経済を優先する大統領が出現した時、
日本は苦境どころか、日本存亡の危機を迎えるでしょう。

日本の行く道 2011 1 9
 アメリカ人のジョセフ・ナイ教授は、
かつて、日本の将来について、
次のような言葉を残しています。
「日本には、三つの選択肢がある。
日米同盟の堅持・強化、
フランスのような自主独立路線、
あるいは21世紀の大国となる中国の属国化だ」
(以上、引用)
 今日は、日本とフランスの違いを見てみましょう。
フランスにあって、日本にないものは何か。
フランスは、核武装しているということです。
 次に、軍事予算が違います。
対GDPで比較すると、フランスは日本の2倍以上となっています。
金額ベースで見ても、フランスは日本を大きく上回っています。
こうしてみると、フランスは軍事大国と言えるでしょう。
 それでは、永世中立国のスイスは、どうか。
対GDPで比較すると、日本と同じくらいでしょう。
金額ベースで見ると、スイスは、さすがに少ないと言えるでしょう。
 しかし、スイスは、欧州において、
軍事力によって永世中立を貫いてきた歴史があります。
 スイスは、徴兵制を採用しており、男性には兵役の義務があるのです。
多くの日本人は、スイスというと、観光国家を連想するでしょうが、
実は、スイスの国土には、至る所に軍事施設が存在します。
 次に、日本人がよく口にする国連は、どうか。
日本にとって、国連は、幻想に過ぎないでしょう。
国連軍は、中小の国は助けるでしょうが、
日本のような大国を助けることはしないでしょう。
 そもそも、国連は、イラク戦争をめぐって機能停止の状態になりました。
最近では、北朝鮮をめぐって、たびたび機能停止しています。
 日本は巨額の国連拠出金を払っていながら、
まるで役に立っていないというのが現状でしょう。
 日本人は真面目で、おとなしいから、国連に対して何も言いませんが、
普通の国だったら、「金、返せ」と言いたくなるところでしょう。
 さて、国連の加盟国は、どんな国が多いか知っていますか。
加盟国を全部見渡せば、独裁国家や強権国家が多いことに気づくでしょう。
だから、国連は、独裁国家や強権国家に対して弱腰にならざるを得ないと言えます。
それでも国連を頼りますか?
























































































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